目次
言語の次に来るもの――AIと「空間」の話
世界モデルとは何か、なぜ今それが必要なのか
創作・ロボット・科学へ広がる空間知能の影響
台湾がAI相場の最大勝者になった理由
人型ロボットは「顔」で勝負する時代へ
民主党の戦略転換と米国内政治の温度感
無人タクシー元年、米国で始まる本格競争
トム・リーが見る「今はまだ天井ではない」理由
ガザ再建構想「Project Sunrise」の現実と壁
今週のマーケット雑感(貴金属・日銀・中国企業・人材戦争)
これからの10年で、AIのいちばん面白いテーマは言語ではなく「空間」だと思う。
文章はもう十分に書けるようになった。でも、世界は言葉だけで動いているわけじゃない。
人は毎日、機械がまだ苦手なことを当たり前のようにやっている。距離を測り、向きを把握し、物がどう動くかを予測し、「さっき何が起きたか」と「次に何が起こりそうか」を同時に頭に入れている。どれも直感的で、ほとんどが空間に関わる能力だ。
それを機械に持たせるには、言語モデルを大きくするだけでは足りない。「世界モデル」が必要になる。世界を理解し、生成し、行動のあとも一貫性を保ったまま更新できるモデルだ。一文ずつ続きを書くのではなく、場面や構造、変化そのものを“頭の中”に持つ感覚に近い。
こうしたモデルには、まず「ちゃんとした世界」を作れることが求められる。形が崩れず、物理が破綻せず、今の状態が直前の状態と自然につながっていること。動画が数秒でおかしくなるのは、要するに「世界を覚えていない」からだ。
次に、入力は文字だけであってはいけない。人は画像や動き、奥行き、視線、身振りから世界を理解している。モデルも、断片的な情報から全体を補完できなければならない。
そしてインタラクション。こちらが何かすると、世界がそれに応じて自然に変わる。さらに一歩進めば、目標を与えるだけで「次に何をすべきか」まで見えてくる。
難しいのは、世界が言語よりはるかに複雑だという点だ。重力があり、素材があり、光が反射し、物はぶつかり壊れる。「それが何か」「どう見えるか」「どう動くか」を同時に、矛盾なく扱わなければならない。どこか一つでも外れると、途端に違和感が出る。
だからこそ、影響は大きい。創作の現場では、すでに変化が始まっている。映画やゲーム、建築の世界で、重たい3Dツールに縛られる前に、まず世界を作って歩き回り、直していく。数値をいじるのではなく、「中に入って確かめる」感覚だ。
ロボットは中期的な勝負になる。現実世界のデータは少ないが、シミュレーションと現実の差が縮まれば、学習速度は一気に変わる。空間を理解できてこそ、家庭や病院、研究室で本当に役に立つ存在になる。
時間はかかるが、いちばん重要なのは科学、医療、教育だ。実験のシミュレーション、医療画像の理解、分子の相互作用の予測。あるいは、暗記ではなく「体験として」歴史や科学を学ぶこと。すぐに実現するものではないが、成熟すれば社会全体の効率を底から変える。
大事なのは、人を置き換えることではない。人が、これまでできなかったことをできるようにすることだ。創作はもっと自由に、研究はもっと速く、ケアはもっと丁寧に、学びはもっと立体的になる。
言語は出発点にすぎない。
次は、機械が本当に「世界を理解する」番だ。
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