All about AI and New Economy | 王士銘のメルマガ

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Figure社の人型ロボット第三世代モデル「Figure 03」である。

Figure 03サプライチェーンの機会:中国企業が主要受益者に /Anthropicがデロイトと提携し、47万人規模のAI導入実験が始まろうとしている。

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Ray Wang
Oct 12, 2025
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Figure社の人型ロボット ファミリーに新メンバーが登場した。第三世代モデル「Figure 03」である。

公式発表によると、このロボットは Helix AIシステム に最適化され、家庭環境への適応やグローバルな大規模応用ニーズを満たすために設計されたという。

家事タスクでのパフォーマンス

整理整頓では、玩具をカゴに入れ、ノートPCを閉じて机の上に置くといった論理的な動きを見せた。

食器を片付ける際には、周囲の食べカスも一緒に掃除。
さらに、食べカスを水道で流してから皿を食洗機に入れるなど、実生活に即した動作をこなす。

コップの収納でも、常識どおり逆さまに置くなど、生活習慣を理解しているようだ。

洗濯も完全自動でこなし、洗剤カプセルの投入からプログラム設定・起動、洗濯終了後の衣類の折りたたみまで自力で完了。

ネット上では「まるでガチの家政婦!」と話題になったが、「どこまでが自律動作で、どこまでが遠隔操作なのか?」と疑問視する声も多い。

もし動画の全てが遠隔操作なし・事前スクリプトなしの完全自律動作であれば、これは大きなマイルストーンとなるだろう。

筆者の見立てでは、枕を整えた後に「ポンッ」と軽く叩く動作などを見るに、一部は遠隔操作の可能性が高い。

しかし、Figure社CEOのブレット・アドコック氏は「リモート操作は0(ゼロ)」と明言した。

急成長するFigure社

創業初期からOpenAI、Microsoft、NVIDIAといった大手から注目・出資を受けたFigure社は、わずか3年で急速に成長。

最近の発表では、資金調達額が10億ドルを突破し、ポストマネー評価額は390億ドルに到達。
これは現在の「具現化AI(Embodied AI)」分野で最高の評価額とされる。

今年2月にOpenAIとの提携を解消した後も、開発は停滞せず、むしろ新たな進展が次々と発表されている。

Figure 03 ― 内外全面リニューアル

今回の新型では、ハードウェア・ソフトウェアの両面でフルリデザインが実施された。
チームの目標は明確で、「Helixシステムを通じて、ロボットの真の自律判断を実現する」こと。

視覚システムの刷新

Figure 03は高頻度のビジョンモーション制御に特化した新型カメラシステムを採用。
フレームレートが2倍、遅延は1/4に減少、視野角は60%拡大。
さらに拡張された深度センサー技術により、Helixにより安定した高密度データを供給できるようになった。

手部システムの進化

両手には広角かつ低遅延の掌部カメラを搭載。
主カメラが遮られても、近距離でのビジュアルフィードバックを維持し、リアルタイムで動作を最適化できる。

また、指先素材には柔軟性の高い新素材を採用し、接触面積を拡大。
独自開発の高耐久触覚センサーを搭載し、最小3グラムの圧力(=クリップ1個の重さ)まで検知可能。

Helixはこの触覚情報を利用し、「掴みが緩いか」「滑りそうか」を判断して微調整を行う。

技術的ブレークスルー:「命令実行」から「自律思考」へ

Figure 03の進化は単なる改良ではなく、ハードウェアとソフトウェアの全面的な刷新である。

感知システムでは、視覚アーキテクチャを全面的に再設計。
フレームレートは2倍、レイテンシは4分の1、視野範囲は60%拡大し、より鋭敏な「目」を獲得した。

さらに、両手の掌に広角・低遅延カメラを内蔵しており、主カメラが遮られても視覚認識を維持できる。家庭環境など視野が制限されやすい場面で大きな強みを発揮する。

触覚システムには同社独自開発のセンサーを搭載。
各指先で3グラムの圧力を感知でき、Helixは「安定した把持」と「滑りそうな状態」を判断可能にし、壊れやすい・不規則な形状の物体も精密に扱える。

量産への道:コストを90%削減する製造革命

Figure 03は、大量生産を前提に設計された初のFigureロボットである。
同社は「設計プロセス改革」「新たなサプライチェーン構築」「専用量産工場BotQの設立」という3つの戦略で量産を推進する。

BotQ工場はFigure専用のロボット製造拠点であり、初期生産能力は年間1万2千台。
今後4年間で合計10万台の生産を目標としている。

製造技術も大きく進化。
CNC加工からダイカスト・射出成形・プレス成形などの金型技術へ移行し、部品点数と組立工程を削減、生産効率を大幅に向上させた。

同社によれば、これにより製造コストは約90%削減され、商業化に向けた大きな一歩となった。

サプライチェーンの機会:中国企業が主要受益者に

量産計画が進むにつれ、Figure 03のサプライチェーンに関わる中国企業が実際の受注拡大を迎える見通しだ。

主なコア企業は以下の通り:

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