All about AI and New Economy | 王士銘のメルマガ

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ボトルネックこそ最大の投資機会──相場を牽引する3つの主軸。2035年前後、中国では純ガソリン車がほとんど売られなくなる。

イギリスで反ユダヤ感情が強まり、社会は危険な分断へ向かいつつある。

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Ray Wang
May 11, 2026
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先週の米国株式市場は上昇基調を維持し、6週連続の上昇となった。これは2024年10月以来、最長の連騰記録である。S&P500は2.3%上昇、Nasdaqは4.5%の大幅高となり、いずれも史上最高値で取引を終えた。背景には力強い決算シーズンがある。S&P500構成企業の約9割が第1四半期決算を発表し、そのうち85%以上がEPS(1株当たり利益)で市場予想を上回り、売上高でも約8割が予想超えとなった。AIデータセンター建設関連企業の強気な見通しが、高止まりする原油価格やイラン情勢への懸念を一時的に覆い隠している。

今週の焦点はマクロ経済指標へ移る。火曜日には米労働統計局が4月の消費者物価指数(CPI)を発表予定で、市場予想は前年比3.7%。実現すれば2023年9月以来、最も高いインフレ率となる。コアCPIも前年比2.7%と予想され、いずれも前月をやや上回る見込みだ。最大の注目点はエネルギー価格である。イラン情勢によるホルムズ海峡封鎖により、世界の原油・ガス輸送の約5分の1を担う重要航路が危機的状況にある。3月のCPIではエネルギー項目がすでに20%以上急騰している。ガソリン価格が1ガロン4.5ドルまで上昇する中でも、米国消費者の3月のガソリン支出は前年比15.5%増と底堅さを維持した。ただし、個人消費には減速の兆しも見え始めており、低所得層への圧力は特に強まっている。木曜日に発表される4月小売売上高や、On Holding、Klarnaなど消費関連企業の決算が、需要動向をより鮮明に映し出すだろう。

企業決算では、水曜日のCisco、木曜日のApplied Materialsが重要な注目銘柄となる。また、トランプ前大統領は木曜日に北京を訪れ、習近平国家主席と会談予定であり、市場は米中貿易協議の進展にも強い関心を寄せている。


ボトルネックこそ最大の投資機会──相場を牽引する3つの主軸

先週のテクノロジー株上昇には、非常に明確なロジックがあった。投資家が追い求めているのは、AIサプライチェーンの中で「代替不可能」で「回避困難」なボトルネック領域である。ヘッジファンドも個人投資家も、市場が最も好むのは常に“詰まり”だ。

ボトルネック1:メモリ

AI推論・学習向けの高帯域幅メモリ(HBM)需要は、すでに別次元へ突入している。Micronの株価は先週、史上最高値を更新し、Samsungは時価総額1兆ドルクラブ入り、SK Hynixも同時に過去最高値を記録した。Meta、Microsoft、Appleといったハイパースケーラー各社は決算説明会で揃って「メモリコスト上昇」に言及したが、これは逆にメモリメーカー側の強い価格交渉力を証明している。アナリストによれば、メモリメーカーはクラウド大手と長期供給契約を締結し始めており、この構造的な業績可視性こそが、最近のメモリ株再評価の核心だという。NAND FlashメーカーのSandiskは、年初来で400%以上上昇している。

ボトルネック2:CPU

今回の上昇相場の中で、最も直感的ではないテーマがCPUだ。市場の主流ストーリーは長らくGPU中心だったが、ここ数四半期で新たな需要ドライバーが現れた。それが「Agentic AI」である。

従来のチャットボットがプロンプトに応答するだけなのに対し、AIエージェントは数時間にわたって自律的にタスクを実行する。このワークロード構造は、GPUよりもCPUに適している。IntelやAMDが今回の相場で高値更新を続けている理由もここにある。また、Nvidiaが3月にひそかに「Vera CPU」を発表し、データセンター向けCPU市場参入を狙っている背景も同様だ。

ボトルネック3:光学部品

チップ内部におけるデータ伝送方式は、電気信号からフォトニクス(光伝送)へと移行しつつある。Nvidiaは先週、Corningとの提携を発表したほか、すでにCoherentやLumentumにも出資している。これら光学関連企業の株価はいずれも歴史的高値圏にある。演算密度が上がり続ける中で、光伝送が持つ低遅延・低消費電力の優位性は、今後さらに代替困難になるだろう。


これら3つの主軸に共通するロジックは明確だ。彼らは単なる「AIブームの恩恵銘柄」ではない。AIインフラそのものに不可欠な存在であり、これらのボトルネックは少なくとも2027年まで、メモリ分野ではさらに長期間続く可能性が高い。

それゆえ、関連銘柄のバリュエーション再評価には十分なファンダメンタルズ的根拠がある。ただし投資家は同時に、AIテーマが極度に集中している以上、もしその物語に少しでも亀裂が生じれば、これら「ボトルネック銘柄」の値動きもまた極めて大きくなることを認識しておく必要がある。


2035年前後、中国では純ガソリン車がほとんど売られなくなる。
そう聞くと極端に思う人もいるかもしれないが、これはかなり現実的な話だ。

数字を見ると流れはもう止まっていない。

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